地面に寝転がるのが
本当に好きで、
よく餌を食べる、
なんだかだらしのない印象の
猫だった。
いつも面倒くさそうな
顔をしていたけれど、
どこか憎めない奴だ。
俺は心の中で、
『ああ、この生ゴミの臭いに
釣られたな』
と思い、少しニヤついた。
いつも家で見ている
クロを職場で見るのは、
何だか新鮮で
少し嬉しかったのだ。
クロは俺を見据えたまま
トコトコ
こっちへやってきて、
ゴミ袋を持った
俺の1メートル手前で、
背筋を伸ばし
ビシッと座った。
いつもだったら、
足元に擦り寄ってきて
餌をおねだりをするクロが、