「夢であの子に泣かれた、
どうして私の意思を
尊重してくれなかったの?」
って
臓器提供をしていれば、
あの子の角膜は
今も何かを
見ていられたかも知れない。
あの子の腎臓は
誰かの中で
生きていたかもしれない。
灰になるよりその方が
良かったかも知れない。
姉は
黙り込むことが多くなり
食が細くなっていった。
一人娘を失い
夫婦関係も
ぎこちなくなり、
姉夫婦は離婚した。
その後、
姉は心が壊れ
今は入院している。
もう妹の
私の事も分からない。
ただ
自転車のベルの音がすると