「あのとき、
おじちゃんも
疲れていたんだと思う。
後ろに
私と●●と○○とで
乗っていて、
車が少し
ふらふらしていて、
あっと思ったときには」
突然大きな声で言い出す。
「みんなつぶれた。
みんなつぶれた」
呆然と見つめる僕。
怖くなかった。
ただ悲しい気持ちだった。
「お母さん・・・」
「□□、これから
一人でやっていける?
□□は
寂しがりやだからねえ。
でも、もう
一緒に居てあげられない」
「自分の心配しなよ。
だめだよちゃんと
家に戻らないと」
「もう無理。
みんなぺちゃんこに
なってしまった」
淡々と語る母。
目が遠くを見ている。
「・・・、・・・。
だめだよ。
僕は待っているんだよ」
「ごめんね。ごめんね」
はっとそこで気がつく。
僕は一人で
そこに立っていた。
「夢・・・?」
寝ていたわけでもないのに、
振り向いたまま
そこに僕はいた。
突然、携帯が鳴った。