「わたしの靴がないの。どこ?」
と言いました。
慌てておばさんが
探し出した靴は、
泥のような茶色のシミで
汚れていました。
靴を履くと従妹は
悲しそうな顔で振り向き、
「ねえ、わたし
どこへ帰ればいいの?」
と言いました。
おばさんは
泣きながら空を指差して
「あっちだよ」
と言いました。
朝起きて
この話を母にしました。
母が従妹のお母さんに
それを伝えると、
「実は事故の後
どんなに探しても
靴が片方見つからなかった。
Uちゃんの夢の中でも
履かせてあげられて良かった」
と言っていたそうです。